年頭所感


 


梅蕾為開離一枝
(梅の蕾 開く為に 一枝を離す)


亀虫臭為見思卑
(亀虫 臭の為に 卑しと思はる)


当然便是有難也
(当然とは 便ち是れ 有難きことなり)


我敢不尊虫一期
(我 敢えて 虫の一期を尊ばざらんや)


 


 


梅は花を咲かせる為には、古い枝を剪定しなければならない。


カメムシは、自分の身を守るために分泌するくさい臭いのせいで、嫌われてしまう。


私たちが「当然」と思っていることは、本当はすべて「有り難いこと」なのである。


私は心からカメムシの命を尊ぼうと思う。


 


 


 人間は梅の花を咲かせる為に、古い枝を剪定する。枝を切るということは、人間でいうと手を切られるのと同じなのではないだろうか。確かに、梅にとっても枝を剪定されることはいいことなのかもしれない。しかし、人間のエゴで自然の摂理を乱してはいないだろうか。
 人間はカメムシを嫌う。くさい臭いを出すからだ。しかし、カメムシは自分の身を守る為に臭いを出している。何もしなければ、くさい臭いは出さない。人間だって自分の身を守る為に、いろいろなことをしている。それどころか、危なくもないのに過剰に身を守ろうとして、快適な生活をしようとして、他の命を過剰に犠牲にしてはいないだろうか。
 人間が「当然」であると思っていることの背景には、たくさんの命の犠牲がある。「当然」だと思っていることは、本当はすごくすごく「有り難いこと」なのだ。
 だからといって、いま当然に存在している人間の快適な生活を捨てて、他の命の犠牲を無くそうというのではない。生き物は他の命を犠牲にしなければ生きていけないからだ。そうではあるが、せめて「日常に命をいただいていることへの有り難さを、感謝の気持ちを忘れてはいけない」と思う。


 


 今年は、そんなことを意識しながら1年間を過ごしていこうと思っています。きっと「ちょっとした幸せな気持ち」が、たくさん増えてくれるんじゃないかと期待しています。


  しょうげん 合掌


 


 

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